「低用量ピルの種類が多すぎて、自分に合うものが分からない」と迷っていませんか?
低用量ピルの種類は、世代(黄体ホルモンの違い)と相性(ホルモン配合パターンの違い)という2つの軸で整理する分かりやすいです。
さらに、避妊目的で使えるOCと治療目的のLEPという分類を知ることで、あなたの目的に合った種類を理解することができるようになります。
本記事では、低用量ピルの種類と世代や相性の意味、目的別の選び方を初心者向けに分かりやすく説明しています。
- 低用量ピルのOCとLEPの違い
- 低用量ピルの第1世代〜第4世代の違い
- 低用量ピルの1相性と3相性の違い
- あなたに合う低用量ピルの種類を選ぶ考え方
- 低用量ピルと間違えやすい他のピルの種類
低用量ピルの種類は2種類!OCとLEPの違い
低用量ピルの種類は、大きく分けて2種類に分類され、どちらに属するかで「避妊に使えるかどうか」が決まります。
それぞれの特徴を詳しく紹介していきます。
【OC】避妊目的で承認された種類
OC(経口避妊薬)は、避妊を目的として承認された低用量ピルです。 日本で処方される代表的なOCには、次の種類があります。
- トリキュラー
- アンジュ
- ラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック)
- マーベロン
- ファボワール(マーベロンのジェネリック)
- シンフェーズ
OC(経口避妊薬)は、避妊目的のため、保険適用にはならず、費用はすべて自己負担です。
【LEP】月経困難症や子宮内膜症の治療目的で承認された種類
LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)は、月経困難症や子宮内膜症の治療薬として承認された低用量ピルです。 代表的なLEPには、次の種類があります。
- ルナベル配合錠LD・ULD
- フリウェル配合錠LD・ULD(ルナベルのジェネリック)
- ヤーズ配合錠・ヤーズフレックス配合錠
- ドロエチ配合錠(ヤーズのジェネリック)
- ジェミーナ配合錠
LEPは、医師が治療の必要性を認めた場合に、保険適用で処方されます。
避妊できる種類とできない種類の見分け方
低用量ピルであれば、すべてのピルが避妊できると誤解されやすいですが、そうではありません。日本で避妊に使える低用量ピルはOCのみで、LEPは避妊目的での使用が認められていません。
「保険適用の安いピルだから避妊にも使えるはず」という思い込みは、避妊の失敗につながりかねません。
避妊効果がない種類の詳細と理由は、「低用量ピルの避妊効果は何日目から?避妊効果がないLEPとOCの違いや避妊効果を下げてしまう原因を詳しく紹介」で詳しく解説しています。
低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプの違いもある
同じ種類の低用量ピルでも、21錠タイプと28錠タイプの数量が違う種類が用意されている場合もあります。
- 21錠タイプ:実薬21錠を飲み終えたら、7日間の休薬期間を自分で数えて、次のシートを開始する
- 28錠タイプ:実薬21錠の後に偽薬(プラセボ)7錠が続き、毎日飲み続けるだけで自然に次のシートへ移行できる
21錠タイプと28錠タイプで、含まれる有効成分や期待できる効果に違いはありません。
飲み忘れや再開忘れを防止するために28錠タイプが一般的ですが、21錠タイプもあることを覚えておきましょう。
またヤーズやドロエチは、実薬24錠+偽薬4錠という「24+4」設計の種類もあり、休薬に相当する期間が短く設定されています。
低用量ピルの世代とは?第1世代〜第4世代の違い
低用量ピルの世代とは、配合されている黄体ホルモン(プロゲスチン)が開発された順番を表しています。
低用量ピルには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」が配合されていますが、世代によって黄体ホルモンの種類が異なります。
世代が新しいほど優れているというわけではなく、世代ごとに作用の個性が異なり、目的や体質によって使い分けることができる特徴があるのです。
低用量ピルの世代一覧
世代別の低用量ピルの種類と特徴は、以下の通りです。
| 世代 | 黄体ホルモン | 主な種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1世代 | ノルエチステロン | シンフェーズ フリウェルLD ルナベルLD/ULD | 日本で初めて製造が承認された低用量ピル 経血量の減少や生理痛の緩和が期待される ニキビや肌荒れなどを改善する副効用も比較的高い |
| 第2世代 | レボノルゲストレル | トリキュラー アンジュ ラベルフィーユ ジェミーナ | 自然なホルモンバランスを再現している 第一世代と比較して副作用が現れにくい 不正出血が起こりにくい |
| 第3世代 | デソゲストレル | マーベロン ファボワール | 男性ホルモンの抑制効果が高い にきびや多毛症の改善に効果が期待される |
| 第4世代 | ドロスピレノン | ヤーズ ヤーズフレックス ドロエチ | 最小限のホルモン配合量の超低用量ピル 副作用が比較的起こりにくい 浮腫みによる体重増加も起こりにくい |
実際の期待される効果や副作用の出方には個人差がありますが、上記はピルの種類選びの参考になる一般的な傾向です。
低用量ピルの世代選びで押さえたい2つの視点
低用量ピルの世代の違いを実際の選択に活かすときは、次の2つの視点が役立ちます。
- 困りごとから逆算して選択する
- 不正出血を避けたいなら第2世代、ニキビが気になるなら第3世代というように、悩みと世代の個性を照らし合わせる
- 1つの世代に固執しない
- 第2世代が合わなかった方が第3世代で快適になるなど、世代をまたいだ変更で解決するケースは珍しくない
最初に処方された低用量ピルが一生の付き合いになるわけではなく、体質や体調・悩みに合わせて選べることを覚えておきましょう。
低用量ピルの相性とは?1相性と3相性の違い
低用量ピルには、大きく分けて「1相性(いっそうせい)」と「3相性(さんそうせい)」の2種類があります。
1周期の間に服用する錠剤に含まれるホルモン量の配分によって分類されています。
それぞれの特徴を知ることで、自分の体質や目的に合ったものを選びやすくなりますよ。
1相性の低用量ピル特徴
1相性の低用量ピルは、シート内のすべての実薬に含まれるホルモン量が一定の種類です。
代表的な種類は、マーベロン・ファボワール・ルナベル・フリウェル・ヤーズ・ドロエチ・ジェミーナなどです。
- どの錠剤も同じ成分量のため、飲む順番を間違える心配がない
- 飲み忘れ時の対応が分かりやすい
- 生理日の移動(月経移動)の調整が比較的しやすい
服薬管理をシンプルにしたい人や生理日の移動をしたい人は、1相性が分かりやすくおすすめです。
3相性の低用量ピル特徴
3相性の低用量ピルは、自然なホルモン分泌のリズムに近づけるため、シート内でホルモン量が3段階に変化する種類です。
代表的な種類は、トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユ・シンフェーズなどです。
- 総ホルモン量を抑えながら、周期をコントロールしやすい
- 不正出血が比較的起こりにくい傾向があると言われている
- 錠剤の色ごとに成分量が異なるため、決められた順番どおりに飲む必要がある
飲む順番をしっかり守れる人や不正出血をできるだけ避けたい人におすすめの種類です。
あなたに合う低用量ピルの種類を選ぶ考え方
低用量ピルの種類は、「分類・世代・相性」をまとめた一覧表は以下の通りです。
| ピルの種類 | 世代 | 相性 | |
|---|---|---|---|
| OC | シンフェーズ | 第1世代 | 3相性 |
| トリキュラー | 第2世代 | ||
| アンジュ | |||
| ラベルフィーユ | |||
| マーベロン | 第3世代 | 1相性 | |
| ファボワール | |||
| LEP | ルナベルLD・ULD | 第1世代 | 1相性 |
| フリウェルLD・ULD | |||
| ジェミーナ | 第2世代 | ||
| ヤーズ・ヤーズフレックス | 第4世代 | ||
| ドロエチ |
これらの低用量ピルの種類から自分に合うピルを選ぶためには、以下を確認してみましょう。
- 分類(OCかLEPか):避妊に使えるかどうか、保険適用かどうかを判断する
- 世代(第1〜第4):黄体ホルモンの個性により、副効用や副作用の傾向が合うか確認する
- 相性(1相性か3相性か):服薬管理のしやすさを確認する
低用量ピルの種類選びには、万人共通の正解はなく、あなたの目的と体質に合わせて医師が処方を判断するのが大前提です。
避妊を最優先したい場合は、OCの低用量ピルを選ぶ
低用量ピルで避妊を目的とする場合は、避妊目的で承認されたOCに絞られます。
そのうえで、服薬管理をシンプルにしたいなら1相性(マーベロン)、不正出血の起こりにくさを重視するなら3相性(トリキュラー)という視点で医師と相談するとスムーズです。
避妊効果が何日目から得られるかは飲み始めのタイミングで変わるため、開始日も含めて計画を立てましょう。
生理痛・月経困難症を治療したい場合は、LEPのピルを選ぶ
日常生活に支障が出るほどの生理痛がある場合は、まず婦人科で月経困難症の診断を受ける必要があります。
月経困難症の診断がつけば、保険適用のLEP(ルナベル、フリウェル、ヤーズ系、ジェミーナなど)が選択肢となります。
低用量ピルの費用負担を抑えながら継続したい人は、フリウェルやドロエチなどのジェネリック医薬品という選択肢も検討しましょう。
ニキビ・肌荒れやPMSの悩みが大きい場合は、第3世代ピルがおすすめ
ニキビや多毛が気になる方には、男性ホルモンを抑える作用が比較的強い第3世代のピルを検討しましょう。
また、生理前のむくみや気分の変化が大きい方には、第4世代のドロスピレノンを含む種類も良いでしょう。
ただし、ニキビやPMSそのものへの効能として承認されている種類ばかりではないため、期待できる範囲と承認された効能の違いを医師に確認しながら選んでください。
低用量ピルと間違えやすい他のピルを確認しよう
ピルには、低用量ピル以外にも「超低用量ピル」「中用量ピル」「ミニピル」「アフターピル」もあります。
超低用量ピルは体への負担が軽い
超低用量ピルは、卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)の量を0.02mgまで抑えた種類で、低用量ピルの一種に位置づけられます。
ホルモン量が少ないぶん体への負担が軽い傾向がある一方、不正出血がやや起こりやすいとされ、日本ではいずれも治療目的のLEPとして承認されています。
つまり、超低用量ピルという名前でも日本では避妊目的に使えないという点が大きく違います。
中用量ピルは主に生理日の移動に使用される
中用量ピルは、低用量ピルよりホルモン量が多い種類で、現在は主に月経移動(生理日の調整)や月経トラブルの治療に短期間使われます。
ホルモン量が多いため吐き気などの副作用が出やすく、毎日の避妊や長期の体調管理には低用量ピルが主流となっています。
ミニピルは低用量ピルが使いにくい人の選択肢の1つ
ミニピルは、卵胞ホルモンを含まず黄体ホルモンのみで構成された種類のピルです。
エストロゲンを含まないため血栓症のリスクが低いとされており、喫煙者や40歳以上の方、授乳中の方など、低用量ピルを使いにくい方の選択肢になります。
- 40代以上の人
- 喫煙する人(35歳以上で1日15本以上)
- 重度の高血圧症の人
- 前兆を伴う片頭痛がある人
- 血栓症のリスクが高い人
- 心臓疾患がある人(心臓弁膜症の一部など)
- 肥満の人(BMI30以上)
低用量ピルが服用できない方でも、ミニピルであれば処方できる可能性があるため、まずはクリニックで相談してみましょう。
アフターピルは緊急避妊薬として使用される
アフターピルは、避妊に失敗した時に緊急で服用する薬で、毎日飲む低用量ピルとは役割がまったく異なります。
性交渉から72時間以内(種類により120時間以内)の服用が求められ、日常的な避妊手段の代わりにはなりません。
「毎日の低用量ピルで計画的に備え、万が一のときはアフターピル」という関係性で覚えておきましょう。
