「低用量ピルで太るという噂は本当?」「低用量ピルを始めたいけど副作用は大丈夫かな…」と不安を感じていませんか?
低用量ピルの副作用の多くは飲み始めの一時的なもので、体が慣れるにつれて落ち着いていく傾向があります。一方で、頻度は低いものの血栓症のように見逃してはいけない副作用も存在します。
本記事では、低用量ピルの副作用や太ると言われる理由・血栓症のリスクについて初心者向けに分かりやすく説明します。
- 低用量ピルの副作用と発現頻度【国内臨床試験データ】
- 低用量ピルで太ると言われる理由と正しい見解
- 低用量ピルの副作用で最も注意したい血栓リスク
- 低用量ピルの副作用がつらいときの対処法と受診の目安
低用量ピルの副作用は何があるの?
低用量ピルの副作用は、ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によって、体内のホルモン環境が一時的に変化するため起こります。
言い換えると、副作用の多くは「ピルが体に作用し始めているサイン」でもあります。
低用量ピルの副作用への不安を解消したいなら、「どのくらいの人に、どんな症状が、いつ起こるのか」をデータで知ると必要以上に怖がらずに済みますよ。
低用量ピルの副作用と発現頻度【国内臨床試験データ】
代表的な低用量ピルであるトリキュラー錠の添付文書によると、国内臨床試験では955例中486例(50.9%)に何らかの副作用が認められています。
| 副作用の症状 | 発現頻度 |
|---|---|
| 悪心(吐き気) | 29.4% |
| 乳房緊満感(胸の張り) | 19.0% |
| 頭痛 | 15.0% |
| 嘔吐 | 10.5% |
| 下腹部痛 | 6.5% |
「半数以上に副作用」と聞くと驚くかもしれませんが、内訳の大半は吐き気や胸の張りなどの軽い症状です。
こうした一時的で軽度な症状はマイナートラブルと呼ばれ、日常生活に大きな支障をきたさないケースがほとんどです。
低用量ピルの副作用はいつからいつまで続く?
低用量ピルの副作用は、服用開始〜2シート目に集中し、続けるうちに減ってくることがデータで示されています。
| 周期 | 副作用の発現頻度 |
|---|---|
| 1周期 | 38.7% |
| 6周期 | 12.7% |
| 12周期 | 8.7% |
飲み始めの1〜3ヶ月間は「身体がホルモン環境に慣れるための移行期間」で副作用が出やすいですが、継続するうちに減少してくることを理解しておくことが大切です。
低用量ピルの一般的な副作用として吐き気、頭痛、不正出血などがありますが、これらのマイナートラブルは大半の場合、飲み続けていくとよくなることが多いです。
低用量ピルの副作用でつらい状態が3ヶ月を超えて続く場合は、我慢を続けるのではなく、ピルの種類の変更も含めて医師に相談しましょう。
低用量ピルで太るのは本当?気になる噂を徹底調査
「低用量ピルを飲むと太る」という噂は、低用量ピルを始めることをためらってしまう理由の1つです。
結論からお伝えすると、低用量ピルの服用そのものが体重を増やすという科学的根拠は乏しいとされています。
それでも「太った」と感じる人が一定数いるのは事実で、噂と根拠を丁寧に切り分けて考えることが大切です。
「低用量ピル=太る」に明確な根拠は乏しい
現在の低用量ピルは、ホルモン量が大幅に抑えられており、体重増加との因果関係は示されていません。
副作用として「体重増加」は報告されてはいますが、頻度の高い副作用ではありません。
そのため「低用量ピルを飲んだら太る」というイメージは、口コミが独り歩きしたと考えるのが妥当で、根拠のない噂と言えるでしょう。
低用量ピルで太ったと感じやすい3つの理由
一方で、低用量ピルを飲み始めて「太った気がする」と感じる背景には、3つの要因が考えられます。
- むくみ(水分貯留):ホルモンの影響で体が水分をため込みやすくなり、体重が一時的に増えることがある
- 食欲の変化:黄体ホルモンの作用で食欲が増したと感じる人もいる
- 生活環境の変化との重なり:ピルの服用開始と生活変化の時期が重なり、原因がピルに見えてしまう
特にむくみによる体重変化は脂肪の増加ではないため、多くは1ヶ月〜3ヶ月で身体が慣れるとともに落ち着いていきます。
「体重が増えた=脂肪が増えた」とは限らないことを、まず知っておきましょう。
低用量ピルで太ったと感じたときの対処法
低用量ピルの服用を初めて体重増加が気になったら、以下のステップで冷静に確認しましょう。
- 体重だけでなく、むくみの有無をあわせて記録する
- 食事量や間食の変化を1週間〜2週間記録してみる
- 塩分を控えめにし、こまめな水分補給と適度な運動でむくみ対策をする
- 3ヶ月以上続く体重増加や急激な変化は、医師に相談する
自己判断で服用を中断すると、いままでの避妊効果も手放すことになります。低用量ピルをやめる前に、医師に相談することがあなたにとってより良い選択の1つです。
むくみが気になる人はピルの「世代」にも注目
低用量ピルには複数の「世代」があり、身体への作用の傾向が少しずつ異なります。
- 第1世代:副作用が現れやすく、他の世代に比べて不正出血が起こりやすい
- 第2世代:ホルモン配合量が少なく、第一世代と比較して副作用が現れにくい
- 第3世代:男性ホルモンの抑制効果が高く、にきびや多毛症の改善の効果が期待される
- 第4世代:浮腫みが起こりにくく、浮腫みによる体重増加も起こりにくい
第4世代のピルには、ドロスピレノンという黄体ホルモンが配合されています。ドロスピレノンには、体内の余分な水分や塩分の排出を助ける方向に働く性質があるとされています。
どうしてもむくみによる体重変化が気になる場合は、ピルの種類の変更も含めて医師に相談すると、あなたに合ったピルを見つけることができますよ。
低用量ピルの副作用で最も注意したいのは血栓リスク
低用量ピルの副作用の中で、頻度は低いですが最も注意が必要なのは「血栓症(静脈血栓塞栓症)」です。
血栓のリスクは、正しい知識を持つことで早期発見できるため、怖がるのではなく細やかなチェックをできるようになりましょう。
低用量ピルで起こる血栓症とは?なぜ低用量ピルでリスクが上がるのか
血栓症とは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて血流をふさいでしまう状況です。
低用量ピルに含まれるエストロゲンには、血液を固まりやすくする作用があるため、服用によって血栓症の頻度がわずかに増加すると言われています。
血栓が起こる頻度と時期
低用量ピルの副作用の血栓症は、起こる頻度は多くないため過度に恐れる必要はありません。
厚生労働省研究班監修のヘルスケアラボによると、静脈血栓塞栓症は低用量ピルの服用開始から3ヶ月以内に最も多いことが分かっています。
つまり、低用量ピルを飲み始めの3ヶ月間は特に体調の変化や初期症状を意識しておくことが重要です。
見逃してはいけない血栓の初期症状
低用量ピルの副作用である血栓症の初期サインとして、次の症状は必ず覚えておきましょう。
- ふくらはぎの急な痛み・腫れ・むくみ(特に片脚だけ)
- 突然の激しい頭痛
- 急に目が見えにくくなる・視野が欠ける
- 舌のもつれ・しゃべりにくさ
- 胸の痛み・押しつぶされるような息苦しさ
- 激しい腹痛
これらの症状が現れた場合は、低用量ピルの服用を中止し、すぐに医療機関を受診しましょう。
低用量ピルの血栓リスクが高くなる人の特徴
次に当てはまる人は、低用ピルの血栓リスクが相対的に高くなるため、服用の可否も含めて慎重な判断が必要です。
- 血栓症の既往歴や家族歴がある方
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙習慣がある方
- BMIが高く肥満と判定される方
- 40歳以上の方
- 前兆(閃輝暗点)をともなう片頭痛がある方
- 手術の前後や長期安静が必要な方
上記に該当する場合でも、エストロゲンを含まないミニピルなど別の選択肢を検討できるケースもあります。
まずはあなたの状態を問診で伝え、低用量ピルの服用の可否を医師と相談しましょう。
低用量ピルの血栓症を予防する習慣
低用量ピルを服用中で血栓症を予防したいなら、日々の習慣から積み重ねていくことが大切です。
- こまめに水分をとる(脱水は血栓のリスクを高めます)
- デスクワークや長距離移動では、1時間に1回は立ち上がって足を動かす
- ふくらはぎのストレッチや軽い運動を習慣にする
- 禁煙する(喫煙は血栓リスクを高める代表的な要因)
飛行機や夜行バスなどの長時間移動の際は、着圧ソックスの活用も予防に役立ちます。
低用量ピルの副作用がつらいときの対処法と受診の目安
低用量ピルの副作用が出たとき、「様子を見てよいのか、すぐ受診すべきなのか」の判断は迷ってしまいますよね。
副作用の症状別に対応の目安とつらさを軽くする選択肢を紹介します。
マイナートラブルはセルフケアで様子を見よう
次のような軽い症状は、低用量ピルを服用して1ヶ月〜3ヶ月の期間に起こりやすいマイナートラブルです。
- 軽い吐き気:食後や就寝前の服用に切り替えると軽減が期待できます(服用時間は毎日一定)
- 軽い頭痛:市販の鎮痛薬の使用は基本的に問題ありません
- 少量の不正出血:飲み始めに多い症状で、継続とともに落ち着く傾向
- 胸の張り・むくみ:締めつけの少ない下着や塩分控えめの食事で様子を見る
セルフケアを続けても症状が3ヶ月を超えて続く場合や、日常生活に支障が出る場合は、クリニックの受診を検討しましょう。
低用量ピル服用中でこの症状があればすぐに受診
低用量ピル服用中に次の症状が出たら様子を見ずに、すぐに受診するようにしましょう。
- 血栓症を疑うサイン(片脚の痛み・突然の激しい頭痛・胸痛・息苦しさ・視覚異常・激しい腹痛)
- 大量の不正出血や、止まらない出血
- 強い抑うつ気分など、心の状態の急な変化
血栓を疑う初期症状は、前に挙げた通りですが、少しでも違和感を感じたらすぐに医師に相談して良いことを理解しておきましょう。
低用量ピルの種類を変更する選択肢を知っておく
低用量ピルには複数の種類があり、含まれる黄体ホルモンの世代や配合パターンによって、副作用の出方が異なります。
吐き気が続く、不正出血が長引く、気分の落ち込みが気になるといった場合は、別の低用量ピルへの変更で症状が軽くなるケースも珍しくありません。
なお、月経困難症の治療で処方される超低用量ピル(ドロエチなど)は保険適用となる場合があり、副作用の傾向も異なります。
