自宅やトイレで突然の出血とともに「赤ちゃんが出てきたかもしれない」という状況に直面し、どうすればよいか分からず検索していませんか?
あるいは、稽留流産と告げられた後、「本当は生きていたのではないか」という思いを抱えて情報を探していませんか?
深い不安と悲しみの中でこの記事にたどりついたあなたに、落ち着いて読める情報をお伝えします。
本記事では、 流産で赤ちゃんが出てきた・自然流産で取りれに流れたときの対処法や稽留流産の診断で生きていたというケースがあるのかを詳しく紹介しています。
- 流産で赤ちゃんが出てきた・自然流産でトイレに流れたときの対処法
- 自然流産でトイレに流れたときの対応と心の整理
- 稽留流産で「生きていた」ことはあるのか
- 稽留流産と診断が確定した後の選択肢
- あなたの心と身体の回復のために利用できる公的支援と相談窓口
流産で赤ちゃんが出てきた・自然流産でトイレに流れたとき、まず知ってほしいこと
自宅やトイレで、出血とともに組織のようなものが出てきたとき、多くの方はパニックに近い状態になってしまいます。
最初に、あなたに知っておいてほしいことを3つお伝えします。
流産が起こったのは、あなたのせいではない
流産で赤ちゃんが出てきたという状況は、あなたの行動が引き起こしたものではありません。
妊娠の約15%は自然流産に終わります。流産率は年齢とともに上昇し、40歳を過ぎると妊娠しても40%以上が流産するといわれています。妊娠したことがある女性のうち、38%が流産を経験しているという報告もあるように、流産は決してまれではありません。
公益社団法人日本産科婦人科学会
妊娠初期の流産の多くは、受精の時点で生じた胎児側の偶発的な染色体異常によるものです。
「あのとき、働きすぎたから‥」「気づいてあげるのが遅かったから」と自責をしてしまいますが、医学的な根拠はありません。
まずは深呼吸をして、これからの対処法を確認していきましょう。
体外に出てきたものの正体を知っておく
妊娠初期の流産で体外へ出てくるものは、以下のようなものです。
- 血の塊(凝血塊):レバーのような暗赤色の塊で、流産にともなう出血が固まったもの
- 胎嚢:赤ちゃんを包んでいた袋で、白っぽい膜状・袋状の組織として出てくることがある
- 子宮内膜などの組織:妊娠を支えていた組織が一緒に排出される
妊娠初期の場合、胎芽(胎児のもと)自体は非常に小さいため、目で確認できないことがほとんどです。
「何が出てきたのか分からない」という状態は普通のことであり、あなたが判別できなくても問題ありません。
命に関わるサインだけは見逃さない
流産の自然な経過の多くは、時間とともに出血が落ち着いていきます。
ただし、次の症状がある場合は、夜間や休日でもためらわずに医療機関へ連絡して受診しましょう。
- 大量の出血:夜用ナプキンが1時間もたずに交換が必要な状態が続く
- 強い腹痛:鎮痛薬を使っても耐えられない痛みが続く
- 発熱:感染の可能性があるサイン
- めまい・冷や汗・意識が遠のく感覚:出血量が多いときの危険なサイン
気になる排出があった後は、できるだけ早く産婦人科の診察を受けましょう。
流産で赤ちゃんが出てきた・自然流産でトイレに流れたときの対処法
実際に「流産で赤ちゃんが出てきた」「自然流産でトイレに流れた」ときに、あなたが取るべき行動や対処法をお伝えします。
- 可能であれば排出されたものを保存する
- 排出後は必ず産婦人科を受診する
- 妊娠週数によって必要な手続きを確認する
できる範囲で構いませんので、落ち着いて進めていきましょう。
取るべき行動①:可能であれば排出されたものを保存する
体外に排出された組織は、可能であれば清潔なラップや袋・容器に入れて保存し、受診時に持参しましょう。
- 医師が流産の状態(完全に排出されたか)を判断する材料になる
- 医師の判断により、組織の検査(病理検査や染色体検査)が検討できる場合がある
保存が難しい状態であれば、無理をする必要はまったくありません。「保存できなかった」ことで診療が受けられなくなることはなく、超音波検査で子宮内の状態は確認できます。
取るべき行動②:排出後は必ず産婦人科を受診する
体外に組織が排出されて出血が落ち着いてきたとしても、産婦人科の受診は必須です。
子宮内に組織の一部が残る不全流産の可能性があるため、必ず産婦人科を受診して超音波検査で状況を確認してもらいましょう。
子宮内に組織が残ったままだと、出血が長引いたり感染の原因になったりすることがあります。超音波検査で完全流産(すべて排出された状態)が確認できれば、その後は経過観察となるのが一般的です。
取るべき行動③:妊娠週数によって必要な手続きを確認する
妊娠12週(妊娠4ヶ月)以降の流産・死産では、死産届の提出が必要とされています。
また妊娠4ヶ月以降に流産・死産した働く女性は、産後休業(原則8週間)の対象となります。
妊娠12週未満の流産では死産届は不要ですが、体と心の回復のための休養は同じように必要であると考えておきましょう。
死産届等の手続きの詳細は、かかりつけの産婦人科やお住まいの自治体の窓口で確認してくださいね。
自然流産でトイレに流れたときの対応と心の整理
自然流産の経過の中で、トイレで出血とともに組織が出て、そのまま流れてしまったというケースは決して少なくありません。
ここでは、自然流産でトイレに流れたときにあなたが取るべき対応と、心の整理の仕方を解説します。
トイレに流れてしまっても、あなたのせいではありません
自然流産でトイレに流れたことは、あなたの落ち度でも、赤ちゃんへの愛情が足りなかったからでもありません。
妊娠初期の自然流産は、突然の出血や腹痛とともに、トイレで起こることが非常に多いものです。体の変化に気づいてから対応するまでの数秒の間に流れてしまうことは、誰にでも起こり得ます。
とっさに流してしまったのは、驚きと痛みの中での自然な反応であり、責められるべきものではありません。
トイレに流れても診療に大きな支障はありません
体外に排出された組織がトイレで流れて、「保存できなかったことで、検査や診察に影響が出るのではないか」と心配になる人もいますよね。
組織がトイレに流れてしまった場合でも、子宮内の状態は超音波検査で確認できるため、大きな支障はありません。
組織が完全に排出されたか、子宮内に残っているかは、超音波検査による診察で判断するため、まずはかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
自然流産でトイレに流れた時も受診は必ず必要
自然流産でトイレに流れた場合でも、子宮内に組織の一部が残る不全流産の可能性を確認する必要があるため産婦人科の受診は必ず必要です。
組織が残ったままだと、出血が長引いたり、感染の原因になったりすることがあります。超音波検査で完全に排出されたと確認できれば、その後は経過観察となるのが一般的です。
何がトイレに流れたのかを、無理に確かめようとしなくて大丈夫
「トイレに流れたものが赤ちゃんだったか確かめたい」「見ておけばよかったかな」と後から思う人もいます。
妊娠初期の自然流産では、胎芽(赤ちゃんのもと)は非常に小さく、目で確認できないことがほとんどです。実際に排出されるものの多くは、血の塊や胎嚢、子宮内膜などの組織になります。
確かめられなかったことを悔やむ必要はありませんし、確かめられていたとしても、判別は難しかった可能性が高いのです。
トイレに流れたことで「弔えなかった」と感じるあなたへ
自然流産でトイレに流れたことを「きちんとお別れできなかった」「弔えなかった」と感じて自分を責め続ける人がいます。
その気持ちは、赤ちゃんを大切に思っていた証であり、決して否定されるものではありません。
一方で、お別れの形に決まりはありません。 手を合わせる、名前を心の中で呼ぶ、手紙を書く、記念になるものを残すなど、あなたが納得できる方法で気持ちを届けることができます。
妊娠12週未満の流産では、法律上の手続き(死産届など)は必要ありませんが、供養や慰霊の場を設けている寺社もあります。
形式にとらわれず、あなたとパートナーの心が少しでも落ち着く方法を選んでください。
稽留流産で「生きていた」ことはある?
「稽留流産 生きていた」と検索するあなたは、診断への疑問やわずかな希望を抱えていますよね。
その気持ちに誠実に向き合うために、稽留流産の診断がどのように行われるのかをお伝えします。
なぜ1回の検査で確定せず、再検査を行うのか
稽留流産の診断は、多くの場合、1回の超音波検査だけでは確定されません。
排卵日のずれによって実際の妊娠週数が想定よりも早い可能や測定や見え方の違いによる誤差にならないように、1週間〜2週間の間隔を空けて再検査を行い、胎嚢や胎芽の成長と心拍の有無を慎重に確認します。
「今日は心拍が確認できませんでした。1週間後にもう一度見せてください」と言われるのは、稽留流産の診断を急がないため配慮になります。
稽留流産で「生きていた」という体験談の多くは確定診断前の話
ネットやSNSの情報で「稽留流産と言われたけれど生きていた」という声が聞かれることがありますが、多くは確定診断の前の経過観察の段階で、再検査により心拍が確認されたケースと考えられます。
排卵のずれで週数が若かった場合、初回の検査で心拍が見えなくても、再検査で確認できることは実際にあります。
一方、診断基準を満たして稽留流産と確定した後に、生きていたと判明するケースは極めてまれです。
「稽留流産 生きていた」体験談を目にして希望と不安の間で揺れるのは自然なことですが、他者の状況とあなたの状況が同じとは限らない点を知っておきましょう。
稽留流産の診断に納得できないならセカンドオピニオンを求めても良い
もし、あなたが診断に疑問や不安を感じているなら、確認のための再診察やセカンドオピニオンを希望することは正当な権利です。
- 「もう一度、日を空けて超音波で確認していただけますか」と伝える
- 別の医療機関で意見を聞きたい旨を申し出る
こうした申し出を医師に遠慮して我慢する必要はありません。納得した上で次の選択に進むことが、後悔を減らすためにも重要になります。
手術などの処置を検討する前であれば、セカンドオピニオンの時間を取ることは十分に可能な場合もあります。
気持ちの整理がつかないまま進んでいくのではなく、疑問や不安は声にして医師に伝えましょう。
妊娠週数の確認に役立つ情報を伝えよう
稽留流産の診断の精度を上げるために、あなたが医師に伝えられる情報もあります。
- 最終月経の開始日
- 生理周期の長さ(不順だったかどうか)
- 排卵日や性交渉のタイミングの記録(基礎体温や排卵検査薬の記録があれば)
生理周期が長い方や不順の方は、排卵がずれていた可能性が高くなります。妊娠時の記録があれば、診察で共有することで妊娠週数の見立てが正確になるでしょう。
稽留流産と診断が確定した後の選択肢は?
再検査を経て稽留流産の診断が確定した場合、その後の対応にはいくつかの選択肢があります。
どの方法にもメリットと注意点があるため、あなたの状況と気持ちに合わせて医師と相談してください。
稽留流産後の選択肢①:自然排出を待つ(待機管理)
稽留流産後の待機管理は、子宮内の組織が自然に排出されるのを待つ方法です。
手術を避けられる一方、いつ排出が起こるか予測できず、外出先や自宅で出血が始まる可能性があります。
本記事の前半で解説した「流産で赤ちゃんが出てきた・自然流産でトイレに流れたときの対処法」は、待機管理を選んだ方にとって特に重要な知識になります。
稽留流産後の選択肢②:手術(子宮内容除去術)
稽留流産後の手術は、子宮内の組織を医療処置によって取り除く方法になります。
日程を計画でき、排出をいつ迎えるか分からない不安を避けられる一方、麻酔や手術にともなう一般的なリスクがあります。
稽留流産後の選択の正解は1つではない
稽留流産後に待機管理と手術のどちらを選ぶのかは、正解はありません。
- 自然な経過を大切にしたい方は待機管理を選ぶことがある
- 予定を立てて早く区切りをつけたい方は手術を選ぶことがある
- 仕事や家庭の状況、通院のしやすさも判断材料になる
大切なのは、あなたとパートナーが納得して選ぶことです。 疑問があれば遠慮なく質問し、考える時間が必要なら、可能な範囲で時間をもらいましょう。
あなたの心と身体の回復のために利用できる公的支援と相談窓口
流産を経験した後は、身体の回復とともに、心の回復にも意識を向けていきましょう。
あなた1人で抱え込まなくて済むように、利用できる制度と窓口を紹介します。
働くあなたが使える制度
働く女性が流産・死産した場合には、次のような制度の対象となる場合があります。
- 産後休業:妊娠4ヶ月以降に流産・死産した女性労働者は、原則8週間の産後休業の対象となる
- 母性健康管理の措置:体調に応じた勤務の配慮を受けられる場合がある
「流産では休めない」と思い込んで身体や心に負担を強いる必要はありません。
体調面やメンタル面の回復のために、利用できる制度は適切に利用して、自身の身体と心を守りましょう。
気持ちを話せる公的な相談窓口
こども家庭庁では、流産・死産等を経験された方への相談支援を行う、都道府県等の相談窓口の一覧を公開しています。
流産・死産等を経験は、身近な人や友人に話すことはためらってしまう人も、助産師や保健師に気持ちを聞いてもらえる窓口でなら話すことができるかもしれません。
「誰かに話を聞いてほしい」と思ったときが相談のタイミングになるため、自分の心が求めた場合は利用を検討してみましょう。
悲しみ方に正解はない
流産後の悲しみ(グリーフ)の感じ方や長さは、人によってまったく異なるため、正解はありません。
- 涙が止まらない日が続く方もいれば、実感が湧かないという方もいます
- パートナーと悲しみの表れ方が違い、すれ違いを感じることもあります
- 数ヶ月経ってから、ふとした瞬間に悲しみが押し寄せることもあります
どんな感情が芽生えても、間違いではありません。日常生活に支障をきたすほどつらさが続く場合は、産婦人科や心の専門家、公的な相談窓口を頼ってみましょう。
次の妊娠を考えられるようになったら
身体は、子宮内の状態が回復し月経が再開すれば、次の妊娠は可能な状態になっていきます。
1回の流産が次の妊娠の妊娠率を大きく下げることは、一般的にはないとされています。
ただし、次の妊娠を考える時期は、身体だけでなく心の準備も大切な要素です。焦る必要はまったくありませんので、あなたとパートナーのペースで医師と相談しながら進んでいきましょう。
